防災・防犯
2023年3月16日 公開
Q.空き巣被害が心配です。良い対策方法はありますか?
空き巣の多くは窓から入ってくる!狙われやすい窓には防犯対策をしましょう。
空き巣といった侵入窃盗者の多くは、窓から侵入します。できるだけ被害に遭うリスクを下げるために、侵入窃盗者がどのような窓を狙い、どんな風に入り込むのかを知っておきましょう。
窓に潜むリスクを知り、適切な対策をとることが、安心な暮らしにつながります。
そこで今回は、窓からの侵入の実態や手口のほか、狙われやすい窓の特徴と、窓の防犯対策について解説します。
空き巣の侵入経路は窓が一番多いって本当?
空き巣などの不審者が住宅に侵入する経路で一番多いといわれているのは実は『窓』です。
窓は玄関に比べて防犯対策が甘く、何もしていない状態だと簡単に侵入できてしまうため、注意が必要です。
侵入窃盗犯に狙われやすい窓とは
侵入窃盗犯は、侵入しやすい特徴がそろっている窓に目をつけます。
これから紹介する特徴に該当する窓が、自宅にないかどうか確認しておきましょう。
■ 雨戸がない窓
雨戸やシャッターのついていない窓は、窓ガラスを簡単に割ることができます。そのため、侵入窃盗犯のターゲットになりやすくなります。
小さい窓や2階の窓など、雨戸やシャッターがつけていない窓は面格子をつけるか、防犯ガラスや防犯フィルムで窓ガラスを割れにくくしておくと安心です。
■ ベランダの窓
ベランダに面している大きな掃き出し窓は、侵入経路になりやすいものです。また、ベランダが柵ではなく、壁で覆われているタイプの家は特に注意してください。侵入窃盗犯がベランダの中にさえ入ってしまえば、窓ガラスを壊すために作業をしていても、壁によって外からはよく見えなくなってしまいます。
ベランダに続く給排水管や雨どいなどがある場合も、外からベランダに入りやすいため、侵入窃盗犯に狙われる可能性が高まります。同様に、室外機や物置、植栽など、足がかりになりそうな物は、ベランダの近くには配置しないほうがいいでしょう。
■ 無施錠の窓
防犯ガラスの窓にしたり、雨戸を設置していたりしても、施錠されていなければ、外部から簡単に家の中に潜入されてしまいます。
また、鍵をかけていたとしても、簡単に外せるクレセント錠(半円形をした金具がついた鍵)だけの場合、外から鍵を壊されたり、ガラスを壊して鍵を外側から開けられたりする可能性があります。
■ 植栽などで見通しが悪い窓
ガラスを割ったり、鍵を外から開けたりするには、ある程度の時間がかかります。そこで、侵入窃盗犯は、その間に外を通りがかった人などに見つからないよう、外の道から見えづらい窓を狙います。
植栽やカーポートなどで外からの視線がさえぎられてしまう窓がないかどうか、確認しておきましょう。
もし、見通しの悪さが解消できないようであれば、防犯カメラを設置するのもひとつの手です。カメラを取りつけることで、侵入の抑止効果が期待できます。
空き巣・不審者が窓から侵入してくる手口一覧
空き巣が窓から侵入する主な手口をご紹介します。
窓から侵入するときは、ガラスを割って鍵を開ける手口が用いられることがほとんどです。しかしガラスを割るといっても方法はさまざまで、ものによっては傷が小さすぎて被害に気が付くのが遅れることもあります。
対策を行うと同時にどんな手口があるのか知っておくことで、小さな異変にも気が付けるようになります。
■ 窓ガラス打ち破り
これはトンカチや石などでガラスをたたき割る方法です。大きな破壊音がなるため、近年ではあまり使用されない方法ですが、一般的な単板ガラスならほんの一瞬で粉々になることもあります。
大きな音に反応して駆けつけてくる人が到着する前に物を盗んで逃げるという強行手段であるといえます。工事現場の近くや線路沿いなどの普段から大きな音がしている場所で使われることも多いため、自宅が該当箇所にある場合は注意しましょう。
■ 窓ガラスこじ破り
打ち破りのように簡単に行えるにも関わらず、大きな音が鳴らないのが『こじ破り』の特徴です。窓ガラスとサッシの間をドライバーなどで2,3回突きつけると、何も対策を行っていないガラスは簡単に割れてしまいます。
3か所程同じようにヒビを入れることできれいに三角形にガラスが割れるため、三角破りと呼ばれることもあります。
日本ではこの方法が用いられることが多く、最も被害件数が多いといわれています。防犯ガラスへの交換や防犯フィルムを貼っておくことで、被害を最小限に抑えることができます。
■ 窓ガラス焼き破り
バーナーやライターなどを数秒間ガラスに熱を当てて割る方法です。一般的な単板ガラスの場合は急激な温度変化に耐えきれず、10秒程度で割れてしまいます。
ガラスが割れるときは『パキッ』という音が鳴りますが、異常を感じるほどではないため気付かれずに侵入することができてしまいます。
■ 窓ガラス突き破り
クレセント錠周辺にアイスピックで小さな穴をあけて、そのままレバーを倒して解錠する方法です。
ガラスには小さな穴が開くだけなので、被害に遭っていることになかなか気が付かないことも多い手口です。
■ 無施錠による侵入もかなり多い
窓からの侵入はガラス破りだけでなく、無施錠によるものも多く発生しています。
マンションやアパートの2階以上に住んでいる場合は、窓から誰か入ってくることはないだろうと思いがちですが、近くに登れそうな塀などの足場があるとそこから登って来ることもあります。
空き巣は基本的に防犯対策を怠ってそうな住宅や、無施錠の住宅を狙ってきます。2階に住んでいるからといって、鍵をかけずに外出するのはやめましょう。
窓の防犯対策
窓からの侵入を防ぐために、しっかりと防犯対策を行うことが大切です。入居した後からでもできる防犯対策をまとめました。
■ 防犯ガラス・防犯フィルム
窓の防犯対策として効果的なのが、防犯ガラスです。防犯ガラスは、割るのに時間がかかるため、侵入窃盗犯が侵入をあきらめやすくなります。ただし、防犯ガラスへのリフォームは業者に依頼する必要があり、費用も高額です。
コストを抑えて手軽に行うのであれば、DIYでもできる防犯フィルムを貼る方法がおすすめ。防犯フィルムにも、窓ガラスの強度を上げて割れにくくする効果があります。
■ 面格子
シャッターや雨戸のない窓には、面格子を設置するのもおすすめです。DIYで後から取りつけられる面格子もあるため、検討してみましょう。
■ 防犯用の補助錠
窓に後から取りつけられる補助錠も、防犯対策に効果的です。鍵が複数あればそれだけ開けるのに時間がかかりますから、侵入窃盗犯が侵入をあきらめる可能性が高くなります。
また、「補助錠をつけている」ということは外からでもわかりますから、そもそも侵入窃盗犯に狙われにくくなるという効果もあります。
■ 防犯アラーム
防犯アラームは、振動や開閉を検知してブザーを鳴らす防犯グッズです。
窓に貼るだけで簡単に設置できますし、万一の際は大音量で周囲に犯罪を知らせることができますから、防犯効果も抜群です。