防災・防犯

2022年9月19日 公開

Q.水災から我が家を守る方法・火災保険の水災補償について教えてください。

家と命を守るための水災対策と、火災保険の水災補償についてご紹介します。

大型台風、ゲリラ豪雨、線状降水帯などなど…近年、被害が拡大してきている水災。しかし地震や火災に比べ、水災は家庭での防災意識がまだまだ浸透していないのが現状です。
そこで今回は、我が家と家族の命を守るために行いたい水災対策と、もし被害を受けたときの火災保険の水災補償についてご紹介します。

水災とは?

水災とは、台風、暴風雨、豪雨などによる洪水、高潮、土砂崩れなどにより生じた損害のことをいいます。大雨などによる増水によって河川の堤防から水があふれて住宅が浸水したり、土石流・地滑り・がけ崩れなどで土砂が崩落して住宅が損壊するなどが起こり得ます。
水災が発生しやすいのは、台風やゲリラ豪雨が頻繁に発生する夏から秋にかけてのシーズンです。日本列島は7割以上を産地と丘陵が占め、豪雨や地震などによる自然災害が起きやすい地形といえます。
また、活発な地殻変動と温帯多雨の気象条件により、不安定で複雑な地形により国土が形成されています。そのため、河川の氾濫や洪水、土砂崩れなどが発生しやすく、住宅や農地、道路、橋梁などが被害を受けやすくなっています。
自然の猛威によって、広範囲かつ甚大な被害を地域にもたらすだけでなく、復旧にも多くの労力を要します。

水災で予想される被害

・大雨によって床下浸水が発生し、畳や壁などが汚れた・家具や家電が壊れた
・大雨によって急激に水位が上昇し、トイレやお風呂の下水が逆流してきた
・川の上流で大雨が降っており、時間差で下流が増水した
などが考えられます。

家でできる水災対策

自宅で取り組める水災対策の目的は「水が家に入ってこないようにすること」「もし浸水しても生き延びる術を確保しておくこと」の2点です。
どちらか一方ではなく、両方の対策を取っておくことがポイントです。自宅で取り組める具体的な水災対策5つをご紹介します。

1. 土のうの設置

土のうとは、道路に流れてきた水や泥を家の中に入れないようにせき止めてくれるものであり、浸水発生時には大変重宝されます。特別な技術や道具も必要ないため、簡単に設置することができます。
玄関はブルーシートの上に土のうを置くことで、浸水を防ぐことができます。家にある板と土のうで入口をふさぐ止水板も一定の効果があります。

2. 下水の逆流対策

浸水は家の外からだけとは限りません。下水が大雨を処理しきれなくなると、排水溝から汚水が逆流する危険性が高まります。キッチンや浴室、洗濯機は排水口に、トイレは便器の中に土のうを置いて汚水の逆流を防ぎます。
土のうがない場合は、ビニール袋に水を入れた「水のう」でも代用できます。

3. 下水道の側溝や雨水ますの清掃

下水道の側溝や雨水ますに、枯れ葉やゴミなどが詰まっていると浸水の原因になります。定期的に掃除し、流れてきた水がしっかりと側溝や雨水ますの中に流れ込むようにしておきましょう。

4. 大事な家財は高いところに避難させる

自宅の1階やガレージの浸水が免れない状況になったら、水につかる恐れのある場所にある家具や家電を、2階などの高い場所へ移動させます。濡れては困るような物から順に移動させましょう。
家具・家電・生活用品、また畳なども外して移動できるのであれば移動させます。2階への移動が困難な場合は、テーブルの上や高い棚の上などに移動させるだけでも、軽微な浸水であれば水につかるのを防ぐことができます。

5. 非常用品のストックをしておく

水災時には最悪、水道・電気・ガスが止まり、地すべりなどで道路が分断されることもあります。もしもに備えて水や食料をはじめ、医薬品や懐中電灯、カセットコンロ、カセットボンベなどを用意します。
非常用品はまとめて家族がわかる場所に、浸水することも考えて2階や棚の上などの高い場所に保管しましょう。水や食料の賞味期限のチェックや、懐中電灯が点灯するかどうかなどメンテナンスも必要です。

いざという時の避難のために

スムーズに避難するためにしておくこと

・土砂災害や洪水災害の危険性が認められる場所を、市町村等のハザードマップで確認しておく。
・学校や公民館など、避難場所への避難経路を確認しておく。
・普段から家族で避難場所や連絡方法などを話し合っておく。
・避難するときは、持ち物を最小限にして両手が使えるようにする。

非常用持ち出し袋を準備する

避難が必要になったとき、慌てずすぐに避難できるよう準備しておきましょう。
下記のチェックシートを活用して、自分や家族に必要なものを備えましょう。

火災保険の水災補償とは

火災保険の水災補償とは、台風、暴風雨、豪雨等による洪水・融雪洪水・高潮・土砂崩れ・落石等の水による災害が原因で、建物や家財が所定の損害を受けた場合に補償が受けられます。

一般的な火災保険の水災で補償される災害の種類と補償範囲

火災保険の主な補償対象

火災保険は、補償対象が「建物」と「家財」に分けられます。どちらか一方の補償だけを設定している場合には、水災にあったときの補償も異なります。

※上の表は一例です。保険会社によって「主な対象物」が異なる場合もあります。
※1 建物の基本補償に含まれるのは延床面積66㎡未満のもの。
※2 自身が所有する一戸建てやマンションにおいては、エアコンなどの冷暖房設備や電気、ガス、通信設備など建物に取り付けられているものは建物として取り扱われる。ただし、賃貸物件で自身が所有している設備は家財として取り扱われる。
※3 貴金属、宝玉および宝石ならびに書画、骨董、彫刻物その他の美術品で、1個または1組の価格が30万円を超えるもの。

水災補償が受けられるケース

損害保険金が支払われるのは、各保険会社が定める支払要件を満たした場合です。ここで目安となるのは前出の保険価額です。保険会社の支払い要件は、以下の(1)と(2)ように規定されていることが一般的です(保険会社によって、水災補償の支払い基準が異なる場合があります。)

(1)建物や家財が保険価格の30%以上の損害を受けた場合

建物や家財が保険価格の30%以上の損害を受けた場合に補償が受けられます。

(2)床上浸水、または地盤面から45cmを超える浸水による損害を受けた場合

洪水などによる床上浸水が発生した場合、もしくは地盤面から45cmを超える浸水が発生し、損害を受けた場合に補償が受けられます。床上浸水とは、居住用として供する部分の床(畳敷または板張などのものをいい、土間、たたきなどは除く)を超える浸水のことを指します。

水災補償が受けられないケース

水漏れや地震・噴火による津波などは、水災補償の対象外となります。補償の対象と間違えてしまいそうですが、水による被害が一概に「水災」に該当するとはいえないため、注意を払う必要があります。水災の補償範囲も把握しておきたいものです。水災と間違われやすい災害として、下記があげられます。
・雨漏りによる水漏れ
・地震が原因の津波
・ひょうや雪による被害

水災補償を検討するポイント

水災は、居住地域の地形や住居の構造により、想定される被害も異なるでしょう。たとえば「河川に近い」「低地である」「一戸建てである」など、居住する地域、住宅の特徴を把握しておくことは大切です。
今後想定される、さまざまな危険を考慮しながら、水災補償を検討すると良いでしょう。

河川が近くにないか確認

台風や豪雨による河川の氾濫は、毎年のように大きな被害をもたらしています。そのため、河川に近い地域の住居では、床上浸水によって1階の家具や家電が破損してしまうなどの被害が考えられます。
とりわけ、山間部や低地、そして過去に氾濫を起こした河川の近くに住む方は、リスクに備えることが大切です。

地域のハザードマップを確認

ハザードマップは、その地域で起こると考えられる自然災害の被害を予想し、地図上に落とし込んだものです。これを確認すれば、その地域で水災が起こるか可能性をある程度判断できるのです。
ハザードマップは国土交通省のぺージ(ハザードマップポータルサイト)からも確認できますし、各自治体が作っているものもあります。避難経路や避難場所もわかるので、一度は確認しておきましょう。

家の周りの下水道を確認

家の近くに多くの下水道が集まっていると、水災の危険性は高くなります。大雨の時に下水道に一気に水が集まって、水道管破裂や逆流などを引き起こすことがあるからです。近年、こうした都市型水災は増えています。河川が近くにないということだけで安心はできません。しっかりと調べましょう。
下水道管については、自治体の「下水道台帳図」といった資料で確認できます。

水災にお困りの方、ご不安な方はお気軽にお問い合わせください


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